土地柄に合わせた属性

こんにちは、治療院集客 株式会社クドケンの工藤です。

今回は土地柄に合わせた顧客属性というテーマについてお話したいと思います。
これは今年、中野に出来たカレー屋さんが多分潰れるであろうという所から、
お話を進めて行きたいと思います。

属性のことを説明する前に、まず前提として、
治療院ビジネスは通販ビジネスと違って、地域の制限があります。

例えば半径広くても5キロ、10キロ圏内で、そのエリアの中で患者さんが来院してくる。
地域ビジネス、またはリピートビジネスということで、
その地域の中で何回も繰り返し来ていただくことで成り立つ商売だということです。
それが治療院の経営だということを深く認識していただくと、
その土地、その場所に合わせなければいけない人がいるということがわかります。
その人に合わせたものを提供して行かないと商売、ビジネスはうまくいきません。

治療院の場合も同じで、治療院の場合は今、供給過多の地域が増えてきているので、
そういった地域に合わせた出店や開業、メニュー構成、
もしくは提供方法をしていかなければ、ゆくゆく厳しくなっていきます。
また新しいライバルが参入してくると、負けてしまうという事になってしまいます。

そこで、属性ということについてお話しします。

冒頭でお話しした中野にできたカレー屋さんは、ランチのカレーが750円、ランチセットが1000円。
この記事を見ている先生がどう思うかわかりませんが、中野では少し高いなという印象を受けます。

中野は、駅の北口から太い商店街が始まって、そこの辺りは坪単価6万ぐらいなのですがそこにはものすごく多くの人が歩いていて、その付近にそのカレー屋さんができました。

中野に住んでいる人はどちらかと言うと、高齢の方や昔から中野付近に住んでいる方が多いのですが、歩いている方は結構若かったり、20代~40代の家族が歩いていたりと、とても庶民的な街です。

電車で来る人、もしくは少し離れた所に住んでいる人、
あまり中野には企業がないので、遊びに来る方、買い物に来たりする方が
多いと思うのですが、凄く庶民的な街だということです。

六本木や青山、代官山などといったお洒落なところとは全然違って、
中野はそういった場所とは違う庶民的な街です。

ランチはというと500円、高くても600円~700円で、十分美味しいものがあって
飲食店も、ものすごい数があります。そういった中で、平均で500円、600円~700円あれば十分に美味しくて、好きな料理が選べます。

中華がありラーメンもあり、カレーも500円くらいで食べることが出来て、
更に美味しくて量もありメニューもたくさんあるので、さっさと食べて何処かに行くには十分だと思います。

そのカレー屋というのがさっさと食べるようなスタイルなのですが、
席の間も細くて、ココ壱のカレー屋、(吉野家みたいなフランチャイズ展開しているのですが)のようにカウンターと席がずらっと並んで、食べるためだけに作られている。
会話を楽しむような場所では無い、というようなイメージを持って頂ければと思います。
居抜きで入った店舗で、それでもお洒落には作ってありますが、
前の店舗が居酒屋で、それがカレー屋になったというわけです。

そして、このカレー屋さんはいずれ潰れると思います。

何故かというと、一言で言えばその土地に合っていないからです。
中野という土地柄、その場所に立地するには属性があっていない。
何故かというとそこから少し歩いた先に、500円の美味しいオムライス屋さんがあって、
そのさらに先にいくと、同じようなテイストのカレー屋さんがあります。

そこは昔からあるので常連さんがいて美味しくて、価格帯は600円、700円くらいです。
空間も広くて、どちらかと言うと安い感じです。
その他にもタイカレー屋さんがあり、非常に周りにカレー屋さんもたくさんあるのです。

その中で考えた時に、やはり1000円というのは高いのです。
さっさと食べていくようなテイストだと、1000円払うなら、
もっとゆっくりした所や、空間のいい場所が良い。

会話を楽しむなら、ゆったり出来て座って、最後にお茶くらい出てくるような所や、
コーヒーを飲むような所に行くわけです。
それが、近くにサンプラザというところがあって、
ここのレストランはランチが1000円以上で食べられるのですが、そこは1、2時間いて
ゆっくりご飯を食べて会話を楽しむというコンセプトです。
中野のお金持ちの主婦がここで喋っているわけですが、
会話を楽しみたい人はこういう所に行くわけです。

そこで、ランチで1000円を取るというのは合っておらず、
案の定、いつもガラガラだという状態です。

そのオーナーは味に自信があって、
チェーン展開もしているので、
それなりに他の店舗では利益が出ているから他店舗展開しているのだと思います。
味には自信があり、他店舗の口コミなどを見てもそんなに悪くない状況です。
そこで、ここ中野でもいけると思い開業資金含め一千万くらいかかっていると思いますがそれを出しています。

しかし結果、外れている。
何故かというとオーナーはその土地柄に合わせた属性を見抜いていなかったからです。

今までのはカレー屋の話ですが、ここからが重要です。

これは治療院でもやりがちですが、まず土地を知らなければいけません。
歩く人の属性、それが遊びに来ているのか、その土地に住んでいるのか。
例えば遊びに来ているのなら土日しかほとんどいませんし、住んでいる人なら平日も歩くかもしれない。働いている人ならば、昼間はいないからから夜の帰宅後が狙い目だとか。

街の意味もそうです。
例えば昔からその土地に住んでいる人が多いのか
衛星都市なのかオフィス都市なのか、田舎なのか都会なのか、
住んでいる地域や風習などにもよりますし、そういった街の意味が重要です。

そしてライバルも重要なのですが、
その中野のカレー屋さんは、なぜそこに出したのかと疑問に思うくらい、
他にも周りにカレー屋さんがたくさんあります。
味はたしかに美味しいのですが、1000円だったら他に行きたいという感じです。

値段的にも味的にもそこまでではない、でもオーナーには自信があったわけです。
ここが重要で、大切なことはお金を払うのを決めるのは出店した人ではなくて
お客さんが払うかどうかを決める、選ぶということです。
住んでいる人、歩いている人もしくはそこに来る可能性のある人が払うかどうか。
そういった感覚で見なければいけません。

そこでライバルも重要になってきます。
値段はいくらで出しているのか、そしてオファです。どういった空間、
どういった提供方法、どういったスタイルをとっているのか。
店のコンセプトがランチをゆっくり食べていってくださいというものなのか、
とりあえず食べたらすぐに出て行ってくださいねというコンセプトなのかでも全然違います。

あとはメニュー構成です。
値段構成もそうですが、どういった方に向けたメニューなのかというのも重要です。
おじいさんおばあさんが多い街で、若者向けのものを出しても流行りませんし、
若者向けに高い和食料理を出しても儲かりません。

自分を知るということ、これを治療家さんは疎かにしてしまいがちです。

自分の腕は良い、カレー屋さんなら味は良い。
そう思っていても、それが果たしてライバルと比べた時、
その土地にライバルがどれくらいいて、それと比べた時にどうなのかという事です。

自分がいいと思っているかではなく、
その土地、ライバルと比較した時にどれくらいのレベルなのか。
他に同様なポジションでやっている所があるかどうか。
同じようなポジションで同じような味なら、安い方や立地がいい所に行きますよね。
例えば、古くからやっている馴染みの所があるのならそちらに行きますよね。

そこで実力、資本力が問われます。
今回の中野のカレー屋さんは、おそらく安く出店できる居抜き物件だったので、
その場所に出したのだと思いますが、もっとカレー屋の少ない、
例えば南口等の他のエリアに出せたのならもっと勝てたのではないかと思います。

得意なもの、自分の提供したいものは何なのかということを考えて頂きたいと思います。
例えば治療院の場合、中野にも整体院やリラクゼーションはたくさん有り、同じような状況が起きています。

同じような所に、同じようなコンセプトで出したとしても、
すでにライバルがたくさんいるのでその土地に出しても意味がありません。
または、その他大勢の中の一つになってしまいます。

それよりも自分の得意なことに注目する。
中野はリラクゼーションがたくさんある、整体っぽい所もたくさんある、
整骨院もたくさんある。
だったら自分は美容整体にしようとか、
若い人向けにしよう、逆におじいちゃんお婆ちゃん向けにしようなど、自分が得意なことを知らなければいけません。

自分の腕や資本力を知って、少ない資本力で戦う。
少ない資本なら少ない資本なりの戦い方があります。

実力がないなら、より強者がいるところには入ってはいけません。
より自分が、その地域でライバル・強者と思われるような所に出店するべきです。
得意なこと、ナンバーワンではなくオンリーワンになれるような事はないかを考えるべきです。


そういった所も含めて、
このカレー屋さんはこれから厳しいだろうという事です。

自分をまず知る、ライバルを見る、その土地、顧客の属性を見る。
それを見た時に、本当に自分の提供するものがあっているのか、
ライバルと比較した時に自分の治療院が求めるものと合っているのか。
そういった事を考えなくてはいけません。

よくあるのが、自分が提供したいものを提供してしまうという事です。
ですがお金を出すのは自分ではないので、売れるものを売らなければいけません。
売りたいものを頑張って売るよりも、売れるものを売ったほうがいいのです。
その土地の需要を読んで需要にあったものを提供すれば、比較的楽に勝てます。

もちろん、立地戦略やチラシ、HPなどの集客方法でもかなり違いますし、
リピートのしやすさ、その空間、土地柄、駅からの距離など色々あります。

カレー屋さんと治療院とではちょっと変わりますが、ほぼ同じ次の3つ、

「その土地を知る、ライバルを見る、自分を知る」

これを考えて頂ければ、かなり結果が変わるのではないかと思います。
もし、このカレー屋さんが潰れたらまたメールマガジンでお届けしたいと思っております。

では今回は以上とさせて頂きます。

2013/10/16 | 治療院集客に成功するためのノウハウ

<< 前の記事 次の記事 >>


信頼できる業者を選ぶ8つのポイント

採用情報はこちら!

治療院経営のヒント

治療院経営を成功に導くブログ

工藤謙治公式ブログ