工藤謙治
【動画解説】初診で”赤字”を出すべき理由
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こんにちは、工藤です。
お盆が一応終わりました。
まだ残暑が続き、体調を崩される
患者さんもいらっしゃいますが
治療家さんは常に健康に、
元気にエネルギー高く参りましょう!
ということで今回は、
初診で赤字を出す
というテーマでお届けします。
赤字・・・ 聞きたくない言葉ですね。
初診赤字とは
初診料 - 広告費 = 赤字
という意味です。
本日の解説動画「初診で”赤字”を出すべき理由」
【映像】9:35
【音声】のみはこちら…
↓↓↓
・通常速度(9分35秒)
・1.5倍速度(6分23秒)
業態や法律の問題で
広告を出していない先生や
広告を使っていない先生は
家賃が広告費とお考えください。
いい立地、通りがかりが多い立地は
家賃が当然高いからです。
わかりやすい広告費としては
ホームページ制作費(ざっくりでOK)
ホームページのPPC広告費
チラシの製作費、
配布/折り込み費用
雑誌、地域誌への広告掲載料
などがありますね。
口コミ紹介は広告費用が0円です。
大事な考え方は
新規患者さんの集客にはお金がかかっている
ということ。
ひとりの患者さんが来院するのに
お金がかかっているという意識が
とても重要になってきます。
もちろん、”理想”は広告費0で
通りがかりと口コミだけで
治療院に新規があふれている状態。
ただ、現実はなかなかそうは
いかないですよね。。。
経営に前向きな治療院さんは
やはり何らかの形で
広告費を使って集患しています。
今は治療院戦国時代、
昔とは違うのです。
昔は整骨院、実費院含めて
やはりライバルの数が
絶対的に少なかったのです。
だから、なんとなくでも
経営できてしまったし、
新規集客もなんとかできました。
しかし今は広告費をかけて
計画的に集客していかないと
なかなか新規患者獲得の戦には
勝つことができない時代です。
【質問】広告感度チェック!
初診の売り上げが5000円です。
先生ならいくらまで広告費だせますか?
以前メルマガ読者さんに
実際にこの質問でアンケートを
取ったことがあります。
答えは1000円とか高くて2000円が
大多数でした。
80人くらい答えてくれて
2名だけ5000円まで広告費を
出してもいいと回答いただきました。
「初診で5000円なのに、
広告費5000円なら利益がないだろ」
「赤字ならただ働き、意味がない」
とコメントいただいた先生もいました。
【答え】
初診で5000円ならば10000円出しても
通常の治療院経営であれば大丈夫です。
なぜ初回売上5000円なのに
広告費10000円だすべきなのか?
初回赤字は
初診5000円-広告費10000円=-5000円
です。
ひとりの患者さんを獲得するのに
5000円損していますね。
でもこれでいいのです。
初診ではなくひとり当たりの
年間顧客価値で判断すべきです。
平均して一人当たりの患者さんが
1年間にどれくらいの金額に
繋がっているのかという指数です。
だから
治療院は初診での売上で広告費を決めると負けます
実際にクドケンの直営院をみましょう。
想定年間顧客価値(カルテ単価)は
32,250円になります。
以下、その理由です。
○○院【施術料金 1回3,500円】
■想定カルテ単価
初回4,500円(現金)+プリカ14,250円(4回分)+
継続プリカ13,500円(3.8回分)=32,250円(8.8回分)
■想定顧客単価
3,664円
■想定来院頻度 3回(約3ヶ月間)
↑これが実際の稼働数字です。
わかりづらいのでザックリ言うと
ひとり当たり合計32250円を
1年間で払っていただく計算。
1回きりの患者さんも、
10回くる患者さんも
全部含めての平均値を計算してます。
この院では初回4500円ですが、
広告費は7500円くらいまで
投下してもGOサインをだしています。
広告媒体の中には1万円を
超えるものもあります。
紹介や口コミもありますので
広告費は実際はトントンか、
トータルでは少し赤字かもしれませんが、
これでいいんです。
初診赤字大歓迎なんですね。
新規患者さんも
毎月35~50人で安定しています。
経営としては十分に利益をあげて
患者さんにも喜ばれています。
なぜか、、、もう分かりますよね?
治療院経営をビジネスとしてみると、
リピートして、ファン化していく
継続ビジネスなのです。
大事なのでもう一度言います。
治療院は継続ビジネスです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
きちんと短期間で症状を治し、
メンテナンス(予防)を提案し、
または痛み、不調が再発した際に
再び来院してもらう継続ビジネスです。
※重要※
無理矢理通ってもらうこととは
全く違いますのでご注意ください。
※重要※
実際の数字で見てみましょう。
クドケン店舗の場合でいうと
少なくともひとり当たり
32,250円の売り上げが予測されます。
ひとり新患獲得すると年間顧客価値32250円
仮に広告費を7500円かけていたとしても
24750円の年間利益ですね。
広告費をかけても
年間で見ると大きなプラスです。
ここが大事です。初診費ではなく
年間のトータルで患者さんを見るのです。
クドケン店舗は良い数字だと思いますが、
一般的な治療院でも15000円くらいは
超えているはずです。
だから自分の治療院の
年間顧客価値を計算してみてください。
ひとり当たり年間平均で
いくら支払っていただく計算なのか、、
年間顧客価値が10000円を切っている
場合は極端に施術クオリティが低いか
先生の人間性に問題があります。
広告費は多いほうが必ず勝つ
なぜ、そこまで広告費をだすのか?
治療家からみると謎ですよね。
初診赤字だしてまで広告費を
使うのは正直怖いと思います。
でも、そうじゃないと新規を
効率的に集められないのです。
例えば、、、事例を見ましょう。
東京都の○○区、半径1キロ圏内に
3つの実費治療院がありました。
立地での集客(人通り)は同じ。
A治療院
『広告なんて治療院がだすもんじゃない』
と広告費0円です。
紹介と看板からの通りがかりでの集客です。
紹介は月に3人くらいだと仮定します。
B治療院
「ひとり辺り2000までなら出してもいいよ。」
「月15人くらいはほしいから30000円が予算」
と広告費には消極的。
ホームページのPPC広告を少し配信、
SEO対策も依頼します。
チラシも大量印刷して自分で合間合間に
配布しに行ったりしています。
C治療院
「年間顧客価値32250円だから、
初診の費用5000円までならOK」
「とりあえず数を呼びたい」
「40人は新規ほしいから
月の広告費は20万円はかけよう」
とPPC広告やチラシを配布して、
地域誌などにも広告を出しています。
ひとり5000円までならどんどん
広告を配信していきたいと考えます。
では振り返ります。
すこし数字が多いのですが
ゆっくり読んでください。
※それぞれ初診5000円
年間顧客価値を3万円と設定します。
A治療院
広告費0
集客結果は3人とします。
新規売上5000円×3人 = 15000円
年間顧客価値は3万円×3人=9万円
広告費0なので全部利益です。
B治療院
広告費30000円
(一人当たりの広告予算2000円)
集客結果は15人だとします。
新規売上5000円×15人 = 75000円
広告費30000円
年間顧客価値は3万円×15人=45万円
年間顧客価値-広告費=42万円
C治療院
広告費20万円
(一人当たりの広告費5000円)
集客結果は予定通り40人だとします。
新規売上5000×40人 = 20万円
広告費も20万円 利益0です。
年間顧客価値は3万円×40人=120万円
年間顧客価値-広告費=100万円
では比較します。
年間顧客価値ベースの利益
A治療院 9万円(広告費0円/1人)
B治療院 42万円(広告費2000円/1人)
C治療院100万円(広告費5000円/1人)
です。
そして忘れてはいけません。
同地域にこの3つの治療院があるのです。
新規患者さんの奪い合いになります。
奪い合いになった場合、
どこの治療院が勝つでしょうか?
わかりますよね。
利益が一番残っていて、
広告予算を一番割いている
C治療院
です。これが現実です。
だから激戦区ほど広告予算を割いて
初診赤字するくらいの気持ちで
新規を集めていったほうが
最終的な利益は残っていきます。
あくまでこれは成功理論です。
しかし実際にクドケン店舗では
新規獲得に対して初診赤字を
大前提として広告投下します。
だからどこの地域に出しても
すぐに利益を出し始めます。
もちろん高い年間顧客価値を
計算の上での広告投下なので
リピート率が著しく低いとか
ファン化できないと厳しいですね。
まとめ:戦略的広告による繁盛理論
高い年間顧客価値(リピート率、ファン化率)
を大前提としての話ですが
他院より大きい広告予算、単価
↓
たくさんの新規患者さん獲得(新患赤字)
↓
年間顧客価値による高い利益
↓
利益を他院より大きい広告予算、単価へ
↓
たくさんの新規患者さん獲得(新患赤字)
↓
年間顧客価値による高い利益
と年間顧客価値をベースに
新規を集め利益をあげ、
再度新規集客に投下していく
この繰り返しが短期間で成功する
鉄板の成功法則です。
本日は数字が多かったので
すこし難しかったかもしれません。
ただこれからの
治療院戦国時代では大事な
考え方なので参考にしてください。
本日の格言
Writer
工藤謙治 工藤謙治の記事一覧
治療院業界にマーケティングを持ち込んだ第一人者。全国47都道府県に顧客を持ち、これまで1060院以上の治療院の売上アップに貢献してきた株式会社クドケンの代表取締役社長を務める。また自社グループでも整体院、美容整体、鍼灸院を複数舗展開し、毎年2~3店舗をスピート開業。常に自らの経営ノウハウ、集客ノウハウを現場で検証し、正しく再現性の高い情報を業界に伝えることを信条とする。理論、ノウハウだけのコンサルタントとは一線を画し、現場・実学でその実力を証明しつづける治療院インターネット業界で最も影響力のある人物といえる。
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