工藤謙治
「痛い!助けて!」の時が勝負です
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おはようございます、
工藤です。
先日、
仲の良い治療家さんから
“新規は来るのですが、
リピート率がよくない”
というご相談を頂きました。
頂いたご相談に対して僕は、
「リピート率って
どこの数字ですか?」
「2回目ですか?」
「6回目ですか?」
「半年後ですか?」
「それぞれ教えてください。」
このように、より具体的に
内容を掘り下げていきました。
するとその先生からは、
「二回目はだいたい
60%くらいです。」
「その後は、、、
計測していないですね」
という回答が返ってきました。
この先生は2回目以降は
計測していなかったようです。
治療院業界を
“ビジネス”として
ドライに捉えると、
次の方程式で成り立って
いることが分かります。
カルテ枚数(新規+既存)
×
単価
×
頻度
新規・既存も含めて、
毎月何回通ってもらえるか?
治療院の売上は
これで構築されます。
当たり前ですが
それだからといって
✅必要以上に無理やり通わせる
✅売上のためとか言って
強引に回数券を売る
なんてことをしてはダメです。
心の何処かで
納得できない患者さんは
必ず来なくなるからです。
「二回目来させた!」
「回数券を買わせた!」
こんな考え方の治療院は
長期的には衰退しますよ。
治療院は決して
『新規刈り取り型ビジネス』
ではありません。
『顧客蓄積型ビジネス』です。
1回来てもらった患者さんに
しっかりと納得してもらい、
好いてもらってなんぼです。
そこには、治療家側と
患者さん側の『納得』が必要です。
さて、ここで
リピート率の話に戻ります。
リピートを一言で言うと、
【1】新規での来院
(治療計画の説明)
↓
【2】2回目~6回目
(初期治療終了)
↓
【3】メンテナンス・健康維持
または休眠後の再発による再来院
↓
【4】永続的な関係性構築
こういう流れが理想です。
繁盛院経営の第一関門は
初診から初期症状がある程度
良くなるまで継続して
来院してもらうことです。
つまり治療計画通り来院してもらい、
来院したきっかけとなる症状を
しっかりと改善させること。
この第一関門が
うまくいかない治療家さんは
治療計画や初回の問診・検査が
できていないことが多いです。
患者さんは
どこか不調を抱えていて、
治してほしいから治療院に
来院してくれるわけです。
価格、技術、雰囲気、距離など
さまざまな条件はありますが、
先生が信用できて、
しっかりとした施術技術を
体感すれば患者さんは納得します。
初期症状の改善には
だいたい3~6回の通院を
おすすめしている治療院が
多いと思います。
初回の問診や検査、
治療計画の提案の仕方を
改善するだけで
結果がガラッと変わってくるので
ぜひ意識してみてください。
第二関門は
メンテナンスや
定期予防通院への移行です。
多くの先生は定期通院や
予防通院、メンテ通院への
誘導が得意ではありません。
実際のところ、
患者さんも『痛み』には
通院費を払いますが、
予防にはなかなかお金を
出したくないものです。
多くの治療家さんは
初期集中治療期(6回までの通院)の
最後の方に予防の話をします。
実は、コレが間違いです。
初期治療が終わる頃には
痛みもだいぶ取れています。
そのため、このタイミングで
予防通院を提案しても
なかなか受け入れられません。
では、いつ提案すればよいのか?
定期通院・再発再来院を
患者さんに徹底させるタイミングは、
初診から2回目が勝負です
多くの治療家さんは
初期症状に改善の兆しが見え、
痛みや不調が和らいでから
予防や再発時の対応を伝えます。
しかし、これでは遅いのです。
患者は痛みがあるときは
先生の話を真剣に聞きますが、
痛みがなくなると真剣度が下がり
先生の言うことを聞きません。
『鉄は熱いうちに打て!』
『通院指導は痛いうちに言え!』
という鉄則があります。
それも当たり前のごとく
自然と言うのです。
日本人は当たり前に
弱い民族ですからね。
「皆さんそうされていますよ。」
「予防通院、当たり前ですよ。」
「生活習慣変えないと
再発するのは当たり前です。
だからこういった予兆がでたら
すぐに再来院してくださいね」
「それが当たり前なんですよ」
と、このような
雰囲気を出すことです。
そうすることで
その先生側の「当たり前意識」が
患者さんの深層心理に伝わります。
初回、二回目の来院時の
患者さんが痛みや不快から
救って欲しいと思っている時こそ
患者さんが先生の言うことや
指導を一番素直に聞くときです。
繰り返しになりますが、
『鉄は熱いうちに打て!』
『通院指導は痛いうちに言え!』
を忘れないでください。
そして、当たり前のごとく
定期通院や再発について
指導していくことが重要です。
ここで重要なのが先生側の
『当たり前意識レベル』
です。
心の底から先生・スタッフ自身が
定期通院の価値や再来院の価値、
そして自分の施術の価値をしっかり
おすすめできるかどうかです。
初期集中治療(1~6回)の際に
「だいぶ良くなってきましたが
定期通院の時期に入りますので
月1回くらい来くださいね」
「初診時にお伝えしましたが
生活習慣が悪いと戻りやすいです。
生活を改善しつつも
まずは定期的に予防とチェックしに
治療院に通ってくださいね。」
「皆さんそうされていますし、
実際にトータルでみると
治療費も安く付きますよ」
と嫌味ない程度に自然に
さらっとおすすめしてあげます。
ここがしっかり出来ていないと、
新規の売上にばかり頼り、
売上の総額は変わらなくとも
中身が良くない治療院になります。
中身が良くないというのは、
新規が減ると売上が
激減する治療院です。
本来治療院とは
『顧客蓄積型ビジネス』
です。
1度来てくれた患者さんが
ずっと通い続けることで
利益が蓄積していきます。
理想の売上比率は
“新規3割 既存7割”
くらいかと思います。
回数券やプリカ、継続課金などの
システムを使っていると
この割合は変わってきますが
イメージはこれくらいです。
ただし、新規売上比率が
5割超えてくると危険です。
一見すると
新規がたくさん来院して
繁盛しているように
見えますが、
患者さんが蓄積せずに
ザルのように他院に
移動しています。
経営視点で長期的に見ると
やはり脆いものに
なってしまいます。
新規患者と既存患者の
バランスを見て、
今現在自分の院には
どちらが足りないのかを考え
適切な対応をとって参りましょう。
本日も最後までお読み頂き
ありがとうございました。
今日の格言
Writer
工藤謙治 工藤謙治の記事一覧
治療院業界にマーケティングを持ち込んだ第一人者。全国47都道府県に顧客を持ち、これまで1060院以上の治療院の売上アップに貢献してきた株式会社クドケンの代表取締役社長を務める。また自社グループでも整体院、美容整体、鍼灸院を複数舗展開し、毎年2~3店舗をスピート開業。常に自らの経営ノウハウ、集客ノウハウを現場で検証し、正しく再現性の高い情報を業界に伝えることを信条とする。理論、ノウハウだけのコンサルタントとは一線を画し、現場・実学でその実力を証明しつづける治療院インターネット業界で最も影響力のある人物といえる。
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