工藤謙治
次世代「カルテ」活用法
2921 Views
こんにちは、工藤です。
突然ですが…
昨日、ネイルサロンを経営する
友人と会話した内容が
治療院に役立つと思ったので、
その時に気がついたことを
本日はお伝えしたいと思います。
ネイルも治療院も形態として同じ
地域ビジネスに分類されますので、
ぜひ参考にして下さい。
ネイルサロンと治療院は
似ているところが多いです。
商圏が限定されていて、
新規獲得も同じような経路です。
つまり、
1,ホームページ
2,ホットペッパー(クーポン誌)
3,チラシ
4,通りがかり
5,紹介
など、どれかで集客して
リピートしてもらうことで
売上を安定させることができます。
収益モデルは同じです。
大きく違うのはネイル業界は
激戦すぎて利益が少ないこと。
治療院よりもかなり
経営が大変そうです。
相当しっかりとマーケティング
しないと利益を残せない
業界と聞きました。
僕の友人はそれなりに
マーケティングに理解があり、
ネイルサロン1つで
利益を残せているのですが、
やはり他のネイルサロンは
かなり厳しいらしいです。
だから治療院はこの超激戦業界(ネイル業界)からヒントを
得ることで、
より安定した経営に近づくことができます。
話しを聞く中で、
一番違いを感じたのは、
顧客情報の活用と整理です。
ネイルは利幅が出にくいので、
いかに長期的に通ってもらうかに
命をかけています。
広告費をかけて集客しても
リピートしてもらえなくては
赤字になりますので、
一度来たお客様になるべく何度も
通ってもらう必要があります。
このあたりは治療院もかなり
学べる部分だと思います。
治療院では紙のカルテを使い、
紙のまま保存しているところも
まだまだあります。
カルテを特に有効活用出来ていない
院が多い印象です。初回来院日と症状、治療経過、
結果などを記入し、
それで本棚にしまわれてしまいます。
治療院では、カルテを売上アップの
ために使うという考え方が薄いです。
しかし、
ネイルサロンは真逆です。
一回来てくれたお客さんの情報を
いかに活用するか、
ここに対する気合が違います。
顧客管理システムを導入し、
情報の活用に注力しています。
ネイルサロンでいうカルテは、
売上UPのために活用するもの
という前提があるんです。
カルテにはネイルサロンも治療院と
同じようなことも記入、記録します。
・初回来店日
・利用したコース
・ネイルの種類
・単価
・お客様の個人情報(わかる範囲で)
住所、電話番号、メールアドレス
ここまでは治療院同様に
通常のカルテですね。
しかし、
ネイル業界ではさらに
こんなことも記載します。
↓↓↓
・お客様との会話の中で出てきた
マーケティングに使えそうなヒント
(食の好み、好きな色、お金の事情、
ネイルを変える頻度などなど)
・次回来店する可能性をABCで判定
(相性、会話、態度から予測)
スタッフが当たり前のように、
上記の内容を会話の中で
自然に引き出すトレーニングを
行っているそうです。
ネイルは会話する時間が取りやすく
技術よりも会話上手な
スタッフのほうがはるかに
売上を上げてくるそうです。
そして、その顧客情報をもとに
サンクスレターやDM案内、
メルマガ、LINEでの情報提供、
など計画的に行っていくそうです。
すべてマニュアル化され
スタッフでも顧客情報システムを
使いこなし、再来店に向けて
自発的に動く仕組み。
顧客情報は使える状態で整理され
二ヶ月以上来店しない顧客には
きちんとアプローチしたり、
特定の顧客に優待キャンペーンなど
送ることで活用されます。
それがネイルで
利益を出す当たり前の基準だそうです。
ただネイルの
✅腕がよいとか
✅大会などで優勝したとか
✅ライセンスがある
程度では
なかなか利益が出せない業界です。
新規もある程度値下げして
お試し価格を設定しないと
初回来店すら獲得できず、
人件費を考えると初回では
赤字がでるのが当たり前。
だから2回目、3回目と
再来店してもらわないと
経営が成り立たないので、
顧客情報を活用します。
顧客管理システムの導入も当たり前。
機能を使いこなし、
戦略的にマーケティングを行います。
治療院業界の現状
まだまだ顧客管理システムの
導入も少なく、
ましてや、マーケティングのために
活用している治療院は極少数派です。
名前と住所、症状、治療経過だけ
記載され活用されないカルテ。
紙で保存され、整理されず、
まったく使えない状態で保存される
治療院のカルテたち。
ネイルサロンを経営している友達は
「もったいない、よくそんな状態で
経営が成り立っているね」
「まだまだ激戦度が甘いんだね」
「でもこれからは激戦化して、
ネイル業界みたいな経営が
当たり前になっていくだろうね」
と言ってました。
時代は変わったのです。
やはり、治療院とはいえしっかりと
患者さんの情報(カルテ)は活用し、
顧客管理システムを導入して、
患者さんの小さなニーズにも
対応していく時代が来ています。
新しい治療院はどんどん増え、
初回のお試し価格を提示したり、
クーポンサイトや雑誌を活用した
新規の獲得はますます激化しています。
新しい世代の治療院は
顧客管理システムなどを使い、
患者さんの情報(カルテ)を
有効活用して効果的に囲い込みをしています。
治療院業界はまだまだ
マーケティングに関しては
遅れている業界です。
逆に言うならば、まだまだ
可能性が満ち溢れてる業界です。
ネイル業界と比較すると
とてもわかり易いですが、
新規獲得、売上安定のため
やるべきことはたくさんあります。
新時代の治療院経営は
患者さんひとりひとりに貢献し、
安定した成長をするために
患者さん情報(カルテ)をもっと
活用すべきじゃないでしょうか。
最近、治療院業界にも
様々な顧客監視システムや
予約システム、アプリなどが
登場しています。
治療院経営の本質は、
手技を通じて患者さんに
満足して頂き幸せにする事です。
その本質は変わりませんが
サポートする仕組みは進化してます。
時代は確実に動いているので
使えるものは積極的に検討、導入し
効率のよい経営を目指しましょう。
使えるテクノロジーや
他業界の成功事例、仕組みは
活用しながらも、
先生は手技を磨きつづけ
『手技技術 治療力』
と
『マーケティング力』
のバランスが取れた新時代の
治療院経営を考えてみては
いかがなものでしょうか。
クドケン直営治療院でも
顧客管理システムや活用方法は
かなり力を入れて教育しています。
手技の教育も落ち目なくしっかりと
教育し、スタッフ同士で
切磋琢磨しています。
だから売上も安定成長です。
やはり、患者さんに満足を
提供し続けて、
時代に合ったマーケティングを
実践できる治療院は今後
伸びていくと思います。
本日はネイル業界との
対比になりましたが、
何かしら学ぶべきものは
あったと思います。
先生の治療院のカルテは
どうなっていますか?
活用できていますか?
もし活用できていないのであれば、
この機会に考えなおしてみると
いいかもしれません。
まだ4月です、新しい年度が
始まったばかりですので
進化するチャンスかも知れません。
本日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。
今日の格言
Writer
工藤謙治 工藤謙治の記事一覧
治療院業界にマーケティングを持ち込んだ第一人者。全国47都道府県に顧客を持ち、これまで1060院以上の治療院の売上アップに貢献してきた株式会社クドケンの代表取締役社長を務める。また自社グループでも整体院、美容整体、鍼灸院を複数舗展開し、毎年2~3店舗をスピート開業。常に自らの経営ノウハウ、集客ノウハウを現場で検証し、正しく再現性の高い情報を業界に伝えることを信条とする。理論、ノウハウだけのコンサルタントとは一線を画し、現場・実学でその実力を証明しつづける治療院インターネット業界で最も影響力のある人物といえる。
この記事が気に入ったら
いいね ! しよう